書籍紹介 : つばさ会会員による、特攻作戦を描いた外書の編訳、第二作にして決定版『日米史料による特攻作戦全史』

つばさ会準会員で入間支部の小田部哲哉 氏が、ロビン・リエリー著『米軍から見た沖縄特攻作戦 カミカゼvs米戦闘機、レーダー・ピケット艦』を日本語に翻訳・刊行されてから約3年、この度、同氏の手により新たに、同著『日米史料による特攻作戦全史』が編訳・上梓されました。

本書は、特攻作戦全史の名にふさわしく、前書から更に範囲を広げ、航空・水上・水中の特攻隊の突入結果そして攻撃を受けた米艦艇の状況と乗員の体験を網羅した特攻作戦の全容に迫る大作です。米軍の戦闘詳報や兵士の証言と、初めてと思われる日本陸海軍を統合した特攻隊出撃リストを照合する等記録を紡ぎ、日本軍機の行動とその最期を明らかにするその記述は、氏による緻密な訳注及び巻末資料と相俟って、ドラマを描くより寧ろ特攻作戦の凄まじさを私たちに伝えます。

神雷部隊爆戦隊員として鹿屋から出撃し未帰還となられた母方伯父を持つ小田部氏が、航空機や航空戦史に係る豊富な知識と経験を総動員して特攻作戦の全容を明らかにしようとする本書は、貴重な記録文献であると同時に、特攻作戦を現在に伝えるかけ橋の書です。


小田部 氏と編訳書